ジョン・ウィック


姪っ子を組織に殺されたから復讐→まあわかる、マザーベースをぶっ壊されたから復讐→わかるっ!、子犬を殺されたから復讐→え?→(観賞後)わかる!!!


亡き妻が残してくれた最後の希望を踏みにじられた、元殺し屋ジョン・ウィックの復讐劇です。


冒頭からなんの説明もなく、愛車を運転しつつ急に暴走したり、ニューヨークにほど近い場所の大豪邸に住んでいたりと、なにかと正体不明なウィックさんでしたが、スマートフォンで再生される妻との幸せな一時を繰り返し見ている切なさや、空虚な暮らしに潤いを与えてくれる子犬の存在など、きちんと感情の動きを描いている部分が印象的でした。アクションじゃなくてもこういうのを大事にしている映画は好きだよ。それに人柄や経緯をナレーションなどで説明するのではなくて、カットとしてさりげなく盛り込んでいるんですよね。こういう観客を信頼してくれるのも嬉しいですね。


こういう静の部分とアクションの動の部分のコントラストがいいんだよね。そしてやっぱりメインはアクションです。いやーこれね。すごい。多数の敵を相手にした時の立ち回りの鮮やかさ。フレームの中での敵とウィックの立ち位置が入念に考えられていて、特に壁越しの排除は、漫画のコマのように壁を使っていて見事でしたね。ウィックもヘッドショット狙いの人で(笑)、一発で確実に仕留める精度の高い動作をナチュラルに演じ切ったキアヌ・リーブス、ほんとすごいわ。そう、この映画の一番の見所はまるでゲームのように多数の敵をばったばたと倒して行くところ。でも、ばかみたいに大火力の銃火器で突っ込んで行くFPSとは違う。全然。これ映画の中でもちらっとゲームが出てたけど(CoDかな?)、2次元的なフレームの中に奥行きが付け足された空間での撃ち合いじゃあ、全然ない。前後左右、上下、どこからでも銃弾が飛んでくる、映画のフレームで表現するべき銃撃戦でした。特に、柱に潜みながら影にいる敵の足元撃つ→怯んだところへ飛び出し撃ち、の滑らかなプレイが素晴らしかった。あーこれ、やりたい。ゲームでやってみたい(笑)


ウィック以外では、スナイパーのおじさんがわりと良かったです。ゲームではさくっと構えてるけど、映画の中では三脚?立てたり、位置取りしたり、障害物がいっぱいあったりして大変そうでしたが、そういう局面でもさらっと仕事をこなすおじさんが素敵でした。


後はウィックが敵の銃弾飛び交うど真ん中でリロードしてるのが、あーこれ私もよくやるなあ、とほっこりしましたね。あ、ゲームでね。いちいち残弾数えてないからね。それにしても、あの機敏な動き。ブランクがあるとは思えんw(言いたかった!)