俳優 亀岡拓次

安ケン主演映画!
観てきました。そういえばけっこう映画に出演している気がするけど今作が初主演なんですね。安ケン、HKで主役を喰う勢いのヘンタイだったのが印象的でした(笑)

さてさて。映画はとても良かったんですが感想を書くには難しいタイプのものですね。ほんわかしていてちょっぴり切なく、現実とファンタジーの境界をふっと飛び越える軽さがありながら、きっちりシビアで重い面もあり。うーん、この映画って安田顕という俳優さん、あるいはバラエティでのキャラクターがある程度認知されていることが前提になっているような気がするんですよね。だって、どこからが安ケンで、どこからが亀拓で、どこからが劇中劇の役なのか、継ぎ目が分からない(笑)とてもとてもシームレスに役から素へ素から役へと移行していくんですよ。そして本人も既に自分が演じたキャラクターのことをあまり覚えていない。亀拓の身体の上をキャラクターが通り過ぎて行くような感じなんですよね。

なんというか彼は、隣の人にもらいタバコできる程度の器用さがあるんですが、それだけで生きてきてしまった人でもあるんですよね。火を借りる程度の付き合い、映画をおごってもらうくらいの付き合いを小手先でどうにかやりくりしてきた。じゃあその先は、というともうね。ないんですよね。それがこの映画の重いところなんですがその煮詰まった感じを哀愁を伴う乾いた笑いに変えてるのが安田顕という俳優なのだと思います。笑うところはたくさんあったんだけど、確かに観てる時に笑ってたけど、よくよく考えたらあんまり笑えないよなあ。でもなんだかこうやって煮詰まってっても小手先で受けて流していくしかないよね、と妙に納得した映画でした。