アサシンクリード

観てきました!さいこう!

ゲーム「アサシンクリード」の映画化作品です。まず、このゲームの何が面白いかっていうと、歴史的な建造物を身軽にほいほいよじ登って、その高みから身を投げ出すダイブをキメること、さらに大勢の敵に追われならが、身軽にほいほい壁や屋根を伝って時に飛び越えて逃げ回ること、なのです。この「身軽にほいほい」こそがこのゲームの魅力の一つなんですよね。
んで、映画ではそれを生身の人間でやるわけで。いやーすごい。ゲーム中のリズム感をちゃんとおさえつつ、カメラやカットのつなぎがしっかりアクション映画で、さらに出演者たちの演技、アクションがキレッキレでなんだもう言うことないわ。すごい、ゲームの映画化の完成度が高い。パルクール(身軽にほいほいの正しい言い方)のわくわく感がきちんと画に収まってて、これだよこれが観たかったんだよ!
そして命綱なしでの40m近い高所からのイーグルダイブ。これもすごかった。なんだろう映画なんだからこっちは安全だって分かっているのに、めっちゃ緊張する。ゲームで本当に最初にイーグルダイブのコマンド入れた時みたいに、「こ、これいけるの!?」っていうスリルがほんっと素晴らしかった。そして飛び出した時の爽快感。最高すぎだ。
アサシンというくらいなので、戦闘シーンは暗殺がメインになるわけですがここもきちんとゲームの楽しさを踏襲していました。人混みに紛れてからの、とか、屋根からのエアアサシンもあったしね。そうなのよ、このシリーズはステルスアクションでもあるし、そこを尊重してくれたのは嬉しかったなあ。実写エアアサシン、めっちゃ良かったです。あ、でも一つだけ藁山からの、がなくて残念。藁山はちょっとだけ出てきたけど、あんまり活躍の場はありませんでしたね。メタルギアには段ボールくらいの意味合いで個人的には「アサクリには藁山」なんだけど。
それにしてもマイケル・ファスベンダーの筋肉がほんとやばい。美しいわ。


ネタバレ











アニムス(先祖の記憶を追体験するVRシステム的な)がけっこう変わっていてびっくりでした。ぐねぐね動くよ!ゲームでは体験者は安静にして脳の中だけで追体験しているのですが、映画では起きたまま身体もシンクロする感じになってました。で、あっちこっちパルクールで動くためにアニムスも追従してぐねぐね動くようになっていると。で、このシンクロ率がけっこう重要で高くない状態でイーグルダイブをすると心臓が止まるという危険なことに。(というわけで一度失敗する)うおーい、そんな危ないんかい。ゲームでもデズモンドは流入現象に悩まされたり被験体16号(だったかな)は精神を病んでしまっていたり、かなりな危険を伴うものだという描写はあったけど、けっこう危険度高めに描かれてて、それも別のスリルを高めていて面白かったですね。


ストーリーの方は15世紀のスペインと現代が半々で描かれていて、ゲームに比べて現代パートが多めでしたね。現代パートの方はテンプル騎士団でありながらアサシン教団と(比較的)友好的に関わろうとするソフィアと、暗殺者アギラールの直系の子孫で元死刑囚のカラムとの関係を中心に描かれているように思いました。が、うーんちょっと微妙かな。お互いへの感情がふわっとしすぎて、もう少し相手に踏み込んだところが観たかったですね。テンプル騎士団とアサシン教団は宿敵どうし。でもだからって必ずしも敵対するわけではない、というのはゲームシリーズのユニティでも描かれていたし、ロマンスじゃなくてもなにかドラマを盛り上げて欲しかったなあ。
一方でスペイン編の方はものすごくドラマチックでした。ああ、こういうのベタだって分かっててもすきなんだよねえ。