お嬢さん

観てきました。エロとミステリーがすごい!


日本統治下の朝鮮を舞台に、人里離れた山奥の豪邸に住む伯爵と令嬢、そして彼らを騙して財産奪取を目論む詐欺師と泥棒の娘が織りなす、騙し合いと倒錯したエロスの物語です。

R18指定からも分かる通り、かなり過激な性描写のシーンがありますが、まあパク監督作品は観たことがあるのでそこは期待してました(笑)いやーなんだろうね、女性二人が絡み合うシーンはものすっごくエロかったのですが、なんか尊い感じもしたりして素晴らしかったですね。女優さん二人の肌の美しさもそりゃあ玉のように輝いてたのですが、なんといっても瞳がすごくエロい。興奮で潤んだ目とか、お互いの目に自分自身を焼きつけようとするような情熱と、びっくりするほど純真な透明感とか、二人の目がとても綺麗で印象的でした。
しかしこの二人が陰陽よろしく抱き合う体位(お察し)を上から撮ったカットは、そういう生き物のようにすら見えたね。あと最後のソファの上でイチャイチャするシーンも、女性の二つの体が対称的に配置されてそういうオブジェのようにも見えました。半端なくエロでありながら、ちゃんと美的なセンスを感じさせるシーンはなんというか眼福でしたね。いやもう、エロは突き抜けてるんだけど(笑)


ネタバレ












ミステリーとしても驚きの連続でかなりハラハラしながらも楽しめました。というか、伯爵がど変態すぎなわりに、妙に童貞ぽいところもあって笑ってしまった。騙し合いのミステリー部分も良かったんだけど、この変態クラブの実態が徐々に明らかになる過程がぞわぞわしてすごく面白かったですね。まじか、まじかーと思いながら観てました。この映画は確かにダイレクトなセックスのシーンもあるんだけど、その何倍、何十倍もこの伯爵や「観客」の想像力の方がえげつなくエロいんですよね。若い女性に官能小説を朗読させて興奮するなんて、いやいやほんと人間の性の欲望ってすごいなって思います。


この映画では、登場人物は朝鮮の人ですが日本統治下という時代背景があり、だいたい半分くらいは日本語で会話しています。当然彼らの母国語ではないので、間違えてはいないけど流暢さには少しかけているんですよね。で、これが騙し合いの物語にうまく機能していたと思うんですよね。彼らは相手を騙そうとする時は日本語で話していて、本音を語る時は母国語の韓国語で話しているのではないかと思います。まあそうでないシーンもあった気がするけど。
少したどたどしく話される日本語は時々聞き取りにくく(韓国語には「ざじずぜぞ」がなくて「じゃじゅじょ」になる)、彼らが本当にそう思っているのかどうかを言葉から汲み取ることが難しい。でも流暢に話される韓国語では、生き生きと本音を語っているように見えたんですよね。
そういうミステリー面もすごく面白かったです。