三連休はハイラル巡り(最近観た映画とか)

三連休でした。

まだちょっと寒いけど昼間ならまあ多少は耐えられるかな、という気温になってきましたが、三連休はどこにもいかずにハイラルを巡っていました。。直前まで週末三連休だってことにも気付いていなかったくらいだから特に予定とかは入れてなかったんだけど、まーあまり健康的じゃないわね。その代わりゼルダはかなり進みました。楽しくてやめ時がわからないタスケテ。

 

と、まあずっとゲームもしてたんですが、ここのとこまたディズニープラスに入っていていろいろ見てました。アニメーション映画が多いけど、科学ドキュメンタリーも好きでナショナルジオグラフィックとか入っているのいいですね。けっこう見ちゃう。

 

何本か見たのでなんとなく感想を書いてみます。

リメンバー・ミー

 

人は死ぬと死者に国へ行き年に一度死者の日に家族の元へ帰ってくるという、お盆みたいな世界観で生きたまま死者の国へ迷い込んでしまった少年の物語。家族や祖先の大切さを軸に、夢を叶えることの切実さも並行して描かれて、それらが家族のように衝突したり許容しあったりどちらかに偏らないバランスが良かった。

一方でこの物語の悪役が過去の犯罪を隠したまま人々から称賛されるというキャラで、過去の自分のことは「思い出さないで」というタイトルとは逆のテーマを抱えているんですよね。偽りの過去が正しい過去に上書きされる終盤の展開はちょっと強引な感じもしました。そこは家族にさえ真実が伝わればいいんじゃないかな。それと、なんかコレ「砂の器」みたいだな、とほんのり思いました。

 

次はマイ・エレメント

 

水、空気(雲)、土(木)、火の属性のキャラクターたちが暮らす街で火の女性エンバーと水の男性ウェイドが出会う物語。相入れない属性が二人の間に横たわっていてそれを克服していく過程が、二人だけでなく二人が属する社会や文化といった背景も描かれていて興味深い作品でした。ウェイドのキャラクターもすごくリアルで、この人(人?)共感しがちな水のキャラなのに最初にエンバーに出会った時に彼女の困窮には全然気づかず、すごく面倒そうに扱うんですよね。同族以外には冷たいなー(水だけに)というところが、ファンタジックなキャラクター造形に妙なリアルさを感じました。そしてこの背景に描かれている社会も基本的には水、空気(雲は水の気体)、土(木は水と親和性が高い)に優位で、火にはとても厳しい環境であることがほんのり示唆されている。エンバーの両親が移民として街にやってきた時に街外れの寂れた場所にしか住めなかったのはそのためなのかなとか、それから年月が経っているはずなのに日々往来する船の水に火の人たちが常に危険にさらされているのは、社会的に彼らの環境の厳しさを知りつつも見ないフリをしているからなのかな、とか物語の底にある構造がリアルなんですよね。ただここは物語の本筋ではないので解決することなく現状のまま終わってしまうんだけど。

あと、水や炎がリアルな表現だったところもそう感じさせた理由の一つかも。

 

最後はこちら。私ときどきレッサーパンダ

 

 

家庭では良い子でも学校では仲良し四人組と共にアイドルに夢中な年頃女の子がレッサーパンダに変身してしまう呪いで巻き起こす騒動。

序盤まで見てて、なんかこれすごく明るく描かれているけどホラー映画の「キャリー」みたい?と思ったんですが、キャリー見てないです。。怖いから。なんかであらすじと解説を読んだのを思い出したけどたぶんこういうお話だったはず。でもお話は別にホラーではないので、レッサーパンダでどたばたしたりアイドルにキャーキャーしたりしながら、「呪い」を解いていくんですね。そもそも変身能力は呪いでもなんでもなく、子供を守りたいという想いから得た力でそれが代々経るごとに負の側面が強くなっていく。でも暗黒面を修行で克服、というわけではなく(そっちはそっちで楽しいけど)その想いを取り違えないでいること、を丁寧に描いているのではないかな、と思いました。

それにしてもメイたちがアイドルでテンションぶち上がる感じ、なんか懐かしかったなー。

正しい人間になりたい人たちの物語(最近読んだ本)

雪が降りましたね。

雪はそんなに珍しくもないけど(北国生まれ)、雷も鳴っててこういう天気はあまり経験がないかも。それにしても寒いと言っても氷点下になるわけじゃないのに、寒さが堪えるのなんでなんだろう。。うかつに薄着してるわけでもないんだけどね(着込んでもこもこになりながら)

 

さて、最近読んだ本。。というか最近はずっとこの本にかかりきりでした。

カラマーゾフの兄弟 4巻

 

 

実際の本見てみると分かるんだけど、これ600ページ超あるので普通に文庫二冊分くらいあるんだよ。ものすごく分厚くて見た瞬間ちょっと笑ってしまった。

でも長さを感じさせないくらいの濃い内容で、時間はかかったけどそんなに苦労した!という感じはなかったです。もっと短くてもなんか合わなくて進まない本とかあるし。

さて、カラマーゾフの兄弟4です。父殺しの容疑をかけられた長男ドミートリー(ミーチャ)と兄の無実を信じる近しいものたち、検事、弁護士と様々な人々がカラマーゾフ家の殺人と金銭に絡む名誉についてを判じていくのがおおよその物語の趣旨。

ここで一番印象深かったのが、ミーチャの元恋人でミーチャの苦悩の元凶となるカテリーナでした。1巻ではミーチャと父の両方を惑わす妖婦グルーシェニカにバカにされるほど世間慣れしてない幼稚な感じだったのに、ミーチャを擁護する1回目の発言と激情にまかせた本音のような2回目の発言の振れ幅が成熟した大人の見せる両面を表しているようですごく面白かったんですよね。ここの件は、ミーチャの無実を信じて自分が辱めを受けてでも証言する崇高な姿勢でぐっと株を上げつつ(聴衆や陪審員にもうけが良かったはず)、一転ミーチャへの想いが既に断ち切れているのにグルーシェニカへの憤りや弟イワンへの複雑な思いが感情に任せてぐちゃぐちゃになって出てきて一気に評価を下げてしまうんですよ。こんなん面白いに決まってるわ!

これってどっちもカテリーナの本音だと思うんですよね。そしてどっちもなんかわかる。。なんていうかこの物語、登場人物の誰しもが崇高な魂というか理想の(キリスト教的にとも、当時の倫理的にもどちらにも言える)正しい人間になりたいと願い、そうなれなくてもがき苦しむ様がよく出てくる。これだけがテーマではないけど、そういう手に入れられなくて入らない、渇望をエネルギーにお話が駆動しているように感じるんですよね。

そうそう、2巻だったかな、日本で言う「蜘蛛の糸」に似たエピソードが出てきて、そういうところからも聖人になれない凡人の苦悩を読み取っているのかも。ちなみに蜘蛛の糸ではなくロシアでは長ネギ?だそうです。なんだ、エシャロット的なやつ?

弟イワンの苦悩も読み応えがあったしあの弱々しかったアリョーシャの堂々たる発言も感心したし、グルーシェニカもなんだかんだ言いながら良かったし、1巻読んだ時には「こいつら。。」と思ってたのが嘘のように登場人物たちに知らず知らずに深入りしていてびっくり。最後まで印象変わらなかったの、父親だけじゃないかな(笑)

ちなみに長男推しです。なんかあの粗暴と繊細が同居しているバランスが好きだな。側には居たくないけど。

それともう一つ。最後の方は検事と弁護士の弁論合戦へと突入するのですが、当事者であるミーチャを目の前にして事件当時の心理や動機の推論が繰り広げられます。他者が当事者の内面を説明するんですよね。でもそれってどこまでいってもフィクションでしかなくて、事件はその「誰にでもわかる物語」として解釈されミーチャは裁かれます。ここはす、当人が目の前にいるのになぜそんな推論ができるのか、どうして聴衆や陪審員は当人の弁明よりもその「物語」を信じるのか、というところが興味深かったですね。正しい人間への渇望があるとして、では「正しい人間」とはなにか。それは誰かが語る物語の中にしかなく、単なるフィクションなのではないか。でもそれは登場人物たちそれぞれが思う「正しい人間」とはかけ離れていて、物語はその解離が決定的となった瞬間に終わります。(まあ別巻もあるんだけどね)

この終わり方にはこのフィクションでは救われない登場人物たちを物語の外へと逃してやるようなそんな慈悲もちょっと感じました。

 

最初はどうかな、と思って読み始めたけど意外と面白かったな、ドストエフスキー

さて、残りは別巻です。こっちは4に比べたらだいぶボリューム少なくて、またちょっと笑ってしまった。

最近読んだ漫画とか

先週は特に書くこともなかったのと、ゼルダが忙しかったのでお休みしてました。いやー、オープンワールド系はハマると時間とけるわね。。

 

さて、今年は年初に「積極的に漫画を読もう」と言ったとおり、早速この漫画を読みました。

 

狂気の山脈にて

 

いやー良かった。1巻の意気揚々とした冒険から未知の生命体の発見をピークに、惨劇に見舞われる展開へと転げ落ちつつ、「奈落」への探索を止めることができない狂気が全体に満ちていて素晴らしかった。そういや冒頭の蜃気楼で提示されているようにこのお話、頂上(ピーク)と底(奈落)が逆なんですよね。奈落に進むにつれてお話のピークへと至るという。

小説でも「この先どうなっているんだろう?」っていう負の好奇心をすごく駆り立てられて読んでいたんだけど、それがストレートに、さらに絵的な説明が深化させているんですよね。それに読んだだけではなかなかイメージしにくかった迷宮の件や、彼らの創世記がとても詳細に描写されていて、ここが漫画として読みたかった!というところにページが割かれていてすごく満足度が高かったなー。

登場人物では真っ先に彼らの存在に気づき、新発見に意気込むレイク教授がすごく印象的でしたね。人間として、科学者としてはごく真っ当な「狂気」を最初に抱き、これを端緒として探検隊全体に感染していく過程が丁寧だったし、後半、彼らの歴史から明らかになる「狂気」とも対照となる構成が見事。

そしてなんと言っても彼らや侵略者たちの描写がいいんだよ。もうこのために漫画買ったようなもんだ。小説でもなんとなくかたちは描かれていたけど、本当に彼らが活き活き(笑)としてて。ここは本当に絵を楽しみながら隅々までじっくり読んだなー。小説もそうだけど、この創世記のエピソードはちょっと唐突に挿入されてて急に昔話始まった感があるんだけど、ダイアー教授のモノローグや彼らの文化の隆盛の描写が丁寧でスムーズに入っていけるんですよね。こういう漫画ならではの脚色もとても巧みでした。

あと、小説ではでびっくりすることなかったんだけど、2回ほど驚いたポイントがありました。ちょっとネタバレするのでブログの後半で。

 

もう一冊はこちら

バーナード嬢曰く

たまたま新刊が出たので早速。

読書は嫌いだけど読書家に憧れる町田さわ子、ガチのSF読み神林、捻くれた視点で独自の読書スタイルを持つ遠藤君、彼らが集まる図書室の委員長谷川さんの四人がなんとなく語る本についてのお話。

キャラクターは長谷川さんが好き。遠藤君に片思い中なんだけど、当の遠藤君が気づいていなくて思いがけない言葉でドキドキしちゃうところがすごく良かった。彼女は前巻の89冊目(話)、「大聖堂」での遠藤君とのエピソードもいいんですよね。恋愛でもあるし友情でもある、本が好きで言葉が好きな彼らの間に明確に言語化できないあたたかな感情があって。笑顔でバスを降りていく長谷川さんが素敵。

そういや新刊で取り上げられてた「タイタンの妖女」、数年前から中断したり読んだりしててまだ読み終わってないやつだ。。町田さわ子の方がよっぽど読んでるわ。

 

以下、狂気の山脈にてのネタバレです。

続きを読む

最近のこととか読んだ本とか

寒いですね。

週末はなんだか体調も微妙で普段よりもいっそう引きこもって延々ゼルダをやっていました。。なんだろうこの廃人ぽくなる感じ、エルデンリング以来かもしれない(とおいめ)

まあそれはさておき、週明けちゃったけどなんとか持ち直して更新します。

 

大学のこと

先週、今期の大学の提出がすべて終わりました。今期は最後にまとめのテストがあったくらいでわりと余裕を持ってできたかな。これまで理系科目をメインに取ってきたけど、哲学とか文系にも面白さを見出したのがいちばんの収穫かも。今回受けた講義はほんのさわりだけなのにめちゃくちゃ用語難しくてびっくりしたんだけど、なんか難しい方に興味わいちゃうんだよな(笑)ゲームもぬるいやつだと面白くないしね。そっちも興味ありつつ、本格的に仕事分野である情報系を極めようかなとか、いろいろ考え中です。

 

最近読んだ本とか

こちらの本は前に読んだやつ。「言壺」

 

 

人工的な知能を搭載し文章作成を支援するワープロ「ワーカム」を巡る、人と機械と言葉のお話。

先日、著者の神林長平さんがChatGPTについてのインタビューを受けていて、その記事のコメントにこの著作が参照されていたので。神林さんの作品はけっこう好きなのでよく読むしこれもだいぶ前に読んでました。なのでちょっと読み直そうかなと。

自然言語モデルがこうして使用されるずっとずっと前から、「ワーカム」という機械を想定してそれを人間が(というか作家が)どう使うか、という予想の精度の高さにも驚くけれど、それがただのお話の起点でしかないんですよね。機械と人間との知的なせめぎ合いが今読むと本当に身に迫るようなスリルがあるし、言語と認知機能によって「現実」が如何に紡がれるか、ということがそれこそ言葉巧みに描かれていて、なんていうかヤバかった。あーもう語彙が(笑)別にAIを敵視するつもりはないけど、本当にそこで紡がれている言葉を人間の柔らかなあたまに無邪気に入れてしまって大丈夫かな、という気もしたし、一方で普段からフィクションを接種しておくことがそういう言葉による浸食を防ぐのかもしれないな、とも思うんですよね。それにしても文体がほんとにカッコ良くてすきだ(突然の告白)

 

こちらも再読。というかもう何回読んでるかわからない。「屍者の帝国

 

 

なんで読み直したかっていうと、今「カラマーゾフの兄弟」をずっと読んでて、この作品にもカラマーゾフの兄弟の登場人物が出てくるから。アリョーシャとコーリャですね。最初にこちらを読んだ時はそこまで知らなくて、コーリャ(クラソートキン)はオリジナルのキャラだと思ってたんですが、なんと「カラマーゾフの兄弟」にもがっつり出てくるし、歳の差があるにも関わらずアリョーシャと対話するシーンがけっこうある。そうだったのねー。この作品でも映画の方でも、なんか食えないいけすかないキャラなんだけど子供の頃からそんな感じだったのでちょっと笑ってしまった。

これも読む度にこちらの読書力?SF力?を確認できるような気がして、毎回ちょっとずつ小ネタが見つかって楽しいんですよね。アリョーシャが出てくる中央アジア編もいいけど、日本編が長閑でありつつ、謎に肉薄していく高揚感や剣、銃、拳の多様なアクションもあってすきです。

 

ちなみにカラマーゾフの兄弟 4巻は中盤くらいまで読み進めました。めっちゃ分厚いのよ、4巻。でもかなりお話が盛り上がってきてて楽しい。じわじわ楽しんで行こう。

あけましておめでとう

今年もぼちぼちペースで更新していきます。

 

さて、年末年始は北の方の実家に帰省していました。この時期は気温差が厳しいんだけど今回はわりと穏やかだったかな。珍しく雨とか降って雪も融けちゃってたしね。まあでも寒いことには変わりないので、うちでネトフリとか観て家族でのんびり過ごしました。おもちもいっぱいたべたよ(小学生並みのお正月感)

 

さて、年始に家族が電気屋さんにいくというので付いて行って買っちゃいました。

 

 

ようやく旅立ちました。ハイラルに(笑)ティアキン出てるけど、やっぱりここからだよなーと思って。まだまだ序盤だけどこれはやばい。オープンワールドあるあるだけどやめ時が分からない!風景が良過ぎてどこまでも進んでしまう。某社のゲームみたいにめちゃくちゃ敵が強いとか、えぐいトラップとかもないし(笑)フィールドを行くときのシンプルなピアノ曲がすごくいいんですよ。ゲーム的にも一度滅びた世界のその後という世界観に、ちょっとノスタルジックな楽曲がとてもマッチしていてね。ずーっと馬でぽくぽく歩き回っています。

そういや、ゼルダってちゃんとクリアできたことないんだよな。。何作か途中までやってはいるんだけど。まあ今のところなかなかにはまっているので当分続きそうです。

 

あと、今年は別に目標というわけではないんだけど、漫画を積極的に読もうと思っています。去年出会ったクトゥルフのコミカライズ、ダニッチの怪がすごく面白かったんですよね。ここ最近は連載中の漫画の新刊が少しとたまにグラフィック・ノベルをどーんと買って読むくらいだったので、もうちょっと量を増やして行こうかなと。

 

というわけで早速こちらを読みました。

 

 

一巻しか手に入らなくてまだ最後まで読んでないけど、ほんとこの方の絵がめちゃくちゃ上手いし小説のイメージの翻訳が素晴らしすぎる。狂気の山脈にて、小説の方もホラー描写がけっこうあったけど、不思議とあんまり怖いって感じじゃなかったんですよね。この登場人物たちのように「この先に何があるか知りたい」っていう好奇心でページを繰っていたのかも。続刊も早々に手に入れないとな。いくつか読んだラブクラフト作品でも好きな作品なのですごく楽しみです。

 

さて、今年もこんな調子で行くと思いますのでよろしくお願いいたします。

2023年のこと

さて、今年もこの記事にたどり着きました。

今年は前半は仕事に忙殺され、後半はわりとゆっくりと過ごせたかなあ。そのせいでまだ半分しか過ぎていないような錯覚に度々襲われるんだよね。。まあそれはいいとして、2023年はどんな年だったかな、と思い出してみます。

 

大学のこと

まずは通信制大学で大卒コースを無事に卒業できたことが一番のトピックかな。いやー最後の最後でなんでかちょう苦手でしかもめっちゃ難しい解析系の数学を選んじゃって、しかも仕事も半端なく忙しいっていう二重の困難がありつつも単位取れたのは本当に僥倖でしたね。今年の運勢全部使い切ったと思ったわ。。まあそれはさておき、そんな一点突破な付け焼き刃ではすぐに忘れちゃうので、すぐに数学系の科目とったりしたけど卒業後は1秒もやる暇がなくて落としたりして、ままならないな!という一年でした。なるべく早めにリベンジしたい。。

 

生活というかブログ活動のこと

去年から継続してはてなブログを読者登録して読んでいます。今年も新しく読者登録したブログがけっこうあって、興味のある更新があれば読むのが日課になりつつあります。普段出会うことのない業種や生活圏の方の記事が面白い。不謹慎かもしれないけれどその面白さはフィクションの面白さでもあるなと感じます。まあここのブログも誰かにとってはフィクションとして消費されるのだろうな、とも思うけどね。

 

さて毎年恒例、映画、本、ゲームのそれぞれから今年の一本を決めつつ振り返ってみます。

 

まずは映画。

今年は本当に映画を見ていなくて、この一本くらいしかないんですが、個人的にはすごく良かった作品でした。

「愛しのクノール

knor.info

https://www.imdb.com/title/tt16445248/

 

美味しいぶたと(愛玩動物としての)カワイイぶたを行ったり来たりする、「カワイイとは?」を突きつけるテーマ性を持ちながら、全編は柔らかく温かみのある映像でいつまでも見ていられる、そんな不思議な映画でした。観終わった後もわりとこの映画のテーマ性についてはいろいろ考えちゃったなあ。。

 

次は今年の本。今年は、というか毎年だけどトレンドの本はあんまり読んでいなくて、積読もあるのでそちらを崩したり、たまに読む新作で言及されている旧作を読むことが多かったです。あと、再読の拾い読みもけっこうやるからなかなか新しい本が読み進められてないんだ。。まあ、そんな中でも新作はちょいちょい読んではいるので、その中から選ぶとすればこの一冊かな。

 

「闇の精神史」

と、個人的には前編にもあたりそうな「闇の自己啓発」を推します。

 

 

珍しくノンフィクションなんだけど、この作品たちはどこか思弁SFを楽しむような感じで読んでましたね。現実に起こりつつある、あるいはもう既に起こってしまっている事物なんだけど、本というメディアを介することによって「いつものSF」感のまま読んじゃうんですよね。この発想がここに繋がるかー、っていう繋がりの妙が他のSFにはないユニークさがあってすごく面白かった。ちょっと人文系の方にも興味でてきたなあ。こういう次に繋がる本すきだな。

 

最後はゲーム。

今年はあんまりゲームやれてないなーと思いつつ、この前PlayStationのサマリーを見たらまあまあな時間を費やしていました。そういや、12月にコジマプロダクションからXBoxにて「とがった新作」のアナウンスがあったのでそっちも買わないとなー。

※↓はホラー描写があるので苦手な人は注意してね

 

www.kojimaproductions.jp

 

またゲーム機増えるけどそういやStarFieldとかやりたかったし!(と、自分に言い訳)まあさほど他にお金がかかる趣味があるわけでもないので、好きなものくらい好きに費やしていきたいな、と思います。

話が逸れた。

今年の一本はやっぱりこれ。

 

 

今、MGS2をじわじわと進めているとこ。

それにしても、20年以上前とは思えないほどの先見性がある内容に今さらびっくりしています。当時は良くわからなかった、ある人物の「我々の目的はコンテンツの制御ではなく、コンテキストの生成である」という意味のセリフが、まさに言語を自在に操る大規模言語モデルとしてのAIが普及しつつある世界でようやく実感を持って感じ取れるようになりましたね。。

 

さて。そろそろ今年の最後のご挨拶を。

今年もあんまり高い頻度で更新はできなかったけど、それなりに記録しておきたいことや記憶として残しておきたい言葉をここに書き留められたかな、と思います。

相変わらずとっ散らかった思いつきを拙い語彙で綴っているだけの記事なんだけど、なんというか自分に届く一言を探しているのかもしれないです。というわけで、読む人のことはあんまり考えてないのでこちらへのスターとか興味なければ無理に付けなくてもいいですからね。こちらも勝手にスター付けてるので、どうかお気になさらず。

 

来年も多分、良くわからないことを書いているブログなんだと思いますが、ふーんと思ったりしてくれればコレ幸い。

というわけで、みなさまも良いお年をお迎えください。

 

それではまた来年〜。

最近のことと最近読んだ本のこと

月に一度、いやここんとこは週に一度くらいの頻度になった毎度のブログ更新です。と、言いつつ近況を書いてたのは10月くらいか。。まあそんなに書くこともないけど、なんかあったっけ?と思い出して書いておきます。

 

大学のこと

今期は1科目だけの受講なのでだいぶ余裕でした。中間試験のない科目だし、レポートは初回3回だけだったのでジワジワと進めてあと1コマを残すだけ。年内に終わるか、年始早々には終わるかな。まあ期限が1月の中旬くらいだったのでぼやぼやしてないで早く終わらせないと。。そして来期の受講科目をそろそろ探そう。前に単位落とした数学の初歩を取り直すか、ちょっと興味出てきた人文系の方を取るか。どうしようかなー。

 

仕事のこと

ここではあんまり仕事のことは書いてないんだけど、今年前半にめちゃくちゃ忙しくて全然(IT方面の)技術的なキャッチアップができてなかったのでぼちぼちやっていました。ちょっと気になるソフトウェアの使い方を、これまではググったりしてたんだけどChatGPTさんに聞いてみたり。ぱっと見いい答えを返してくれるんだけど、なんか動かない?うーん?と結局自分でドキュメント読み込んで調べたりして、これまでとあんまり変わんない感じに。アレだからか、タダで使えるバージョンだからか。。AIもののSFはいっぱい読んでるから予行練習だけはばっちりだと思ったけど、まあもうちょっと使い方、というか付き合い方を習得していかないとな。

 

最近読んだ本のこと

ここ最近は前に読んだ本の再読というか気になる箇所だけ拾い読みとかしてて、ちゃんと読んだ!って本が少ないな。まあ別にどんな読み方しててもいいんだけど。

 

ちゃんと読んだ本はまずはこちら。

 

 

巨大宇宙(?)、いいですよね(突然)

宇宙は広すぎて他の知的文明と接触する機会なんてないだろ、とか知的レベルが高い文明ほど暗い森の中の狙撃者みたいに潜んでるもんだ、とかそういうのもあるけど、巨大な宇宙のどこかにはこんな物語があってもいい、と思わせる短編がたっぷりの傑作選でした。

「甲板員ノヴァ・ブレード、大いに歌われた経典」は平凡な甲板員から宇宙を救う英雄に上り詰めた主人公のログを通して、英雄譚ではない個人の救済を描くお話。一人称でログに向かって呟いている構成がブログっぽいし、ライトノベルのような爽快感もあってよかった。

「俺たちは宇宙地質学者、なのに」は、しがない宇宙地質学者たちが発見した知的文明の残骸をめぐるファーストコンタクト未満の物語。同じような状況になったらきっと悩むけど、やっぱり気になっていろいろ調べちゃいそう(トラブルのもと)

「子どもたちを連れて過去を再訪し、レトロな移動遊園地へ行ってみよう!」思ったより長いタイトルだった。。宇宙に伝播したクローン、壊れかけの宇宙船、女性二人の逃避行とかちょっとツインスター・サイクロン・ランナウェイぽい雰囲気が似てて楽しい作品。巨大宇宙を駆けるエンジンを叩けば直る!とかやってるあたりが昭和か!と思った(笑)ちゃんと整備して。

「迷宮航路」は正体不明の円盤に貫かれ航行不能になった宇宙船団がその場所で世代を重ねる物語。円盤の向こうがどうなっているのかわからないまま共存していくうちに奇妙な信仰が発生したり、そんな中でも絶望や希望があったりと不思議な読後感のあるお話でした。その場や状況でしか生まれてこない文化ってすごくいいな。

ダイソン球とか星間航行とか人工太陽とか架空の技術の想像力も楽しいけど、それらと共存する人たちや世界や文化の側面がやっぱり面白い。それぞれの場所、ぞれぞれの時間での幸せや価値観があってよい読み物でした。

 

もう一作はまだ半分だけどこちら。「フーコーの振り子」 上巻

 

 

フーコーの振り子じたいは序盤にちょっと出てきただけで、概ねテンプル騎士団にまつわる虚構と事実を織り交ぜながら奇妙な出来事に巻き込まれる出版社と作家?のお話でした。

薔薇の名前」もそうだったんだけど、これが本題のどこに関係するんだろう?という展開が延々続くので面白さが分かりかけてきたのが上巻の400頁超えたあたりからでしたね。。歴史の上でも謎の存在であるテンプル騎士団についての憶測とか根拠のない関連付けとかの件はオカルト雑誌のムーぽい雰囲気が出てきて面白かったし、テンプル騎士団はゲームの「アサシンクリード」でもお馴染みだったから、まあ読むか。。と思って読み進められたけどちょっと長いな。あ、ちなみに「アサシンクリード ユニティ」(フランスが舞台)にチラッと出てきたジャック・ド・モレー(テンプル騎士団の最後のグランドマスター)がわりと出てきます。まあ火炙りにされるんだけど。。(ゲームでも冒頭でそんなシーンがあったはず)

それにしても不自然に歴史から消えていくんだねテンプル騎士団。そういうあたりが本作中でも陰謀論的な本として扱われたり、ゲームのネタにもなるのなんか分かるな。

まあ、下巻もあるのでここまできたら読んでみようかなと思います。